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このブログは企画系創作作品をまとめたブログです。主更新はオリキャラRPG企画になっております。
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06 2008 / 07
ちょっと書いてみました。
ちょっとどころじゃなく長いです。しかも決して読みやすくはありません。
なるべくキャラを出そうとしたので、口調や反応など間違ってたら言ってください。直します。





その日トルナーレは朝から非常に良い天気だった。
未だ夏の盛りには遠いが、この時期の晴れの日射しはそれなりにきつい。
工房の店先で簡易露店を組み立てていたディタは、日傘の所在を思い出そうとしていた。
「おやあ、ディタじゃないか。今日は何をしようってんだい?」
テーブルにクロスを掛けていると、斜向かいのココリータがこちらを見に来た。この時間はコータの散歩に外に出ているため、ディタの作業が気になって来たのだろう。
「あ、ココリータさんおはようございます」
「おはようさん。で、今日は何をするんだい? 天気が良いから青空窯器屋かい?」
興味深深といったようにココリータは露店のセットを眺めていた。と、云ってもあるのはクロスの掛かったテーブルと椅子だけなので、今のところ何をやる場所なのかは見ただけでは判りかねる。
「俺もよくわからないんだ。とりあえず外にテーブル出しとけって、あいつが言ったから」
「そうなのかい…。もう少ししたら判るかねえ? わくわくするよ」
「そこまで期待するようなことかはわからないけど…」
二人が話していると、工房からやたら大きなお盆を持ったカルーアが出てきた。ココリータに気がつくと、挨拶をしてからお盆をテーブルの上に置いた。
「おはようございますココリータさん。今日もお美しい」
「おはようカルーア。あんたはいつもうまいねえ」
笑い合っているココリータとカルーアを尻目に、ディタはカルーアの持ってきたお盆を見た。妙な形をした皿に盛り付けられた、一口よりはやや大目の食べ物。ぱっと見ただけで結構な量があることが判る。
「おい、これ…」
「そうだった。ディタ、台所にまだお盆一つ分残ってるんだ。ちょっと取りにいってくれないか?」
「何で俺が…」
「オレは日傘を取りにいくから」
「はいはい」
じゃ、とココリータに別れを告げて、ディタは工房に戻っていった。
「で、結局これは何なんだい? ディタも知らないようだけど」
「今日は早くからこれをやりたかったんすよ。説明すると長いから、ディタには後でって。リタさんももう少ししたら来るといいよ。コータやアオサくんも連れて」
じゃあオレは日傘取りに行ってきます、とカルーアも店先から立ち去っていった。
「二人とも、なんだかんだで仲がいいねえ」
残されたココリータは、同じく残されたテーブルの上のお盆に目を向ける。皿にのっている食べ物に見覚えがあった。白チーズの塊によく似たものや、白や赤の穀物の煮たのをまとめたもの…。
ついでに、それらののっている皿には食べ物に隠れて見えにくいが、見知った異国の文字が書かれていた。
「何をする気なんだろうねえ?」
隣に居るコータに問いかける。
その文字の名を持つコータは、ココリータに応えるように一つ鳴いた。

2つのお盆の前でディタが待っていると、日傘を持ったカルーアが工房の裏手から出てきた。
「いやーごめんごめん。埃払ってたら時間かかっちゃって…」
「それはいいから。これはなんなんだよ」
「皿?」
「見りゃ判るわ。てかなぜ疑問系」
テーブルの後ろに傘を立てながら、カルーアは答える。答えになってはいなかったが。
「どんないわくがあるんだって聞けばよかったか?」
「今回はホラー的なものではないよ。オカルトに変わりはないけど」
なんでもやってくれ、と投げ捨てるようにディタは呟いた。
「なんかねー、東の方の儀式皿だってさ。宴会用とかなんとか」
「結局どっちなんだ?」
「まあまあ。面白ければいいじゃないか」
笑いながら、カルーアは皿を並べ直す。
「たくさんのものが集まって宴会するための皿だって云うからさ、全部に食べ物をのせて、道行く人に食べてもらおうかと」
「……へえ」
ディタの気のない返事と共に、妙な宴が幕を開けた。


「おっ、ソフィアちゃんー。おはよー」
「おはよう」
「おはようございます。今日はなにかあるんですか?」
「んー、まあねー。ソフィアちゃんも一つどう?」
「わあ、いただきます。じゃあ…この焼き菓子で」
「まいどー。…で、ソフィアちゃんも何かあるの? すごく楽しそう」
「えっ、そう見えます?」
「ミルドとか云うのが帰って来るんじゃないか?」
「なるほど」
「あの…はい、その通りで…、準備とか…。失礼しますっ!!」
「ん、じゃあねー」

「あ、そこのちょっと不思議なお姉さーん。怪しくないんでお一ついかがですかー?」
「……っっっ!!? 結構だっ!!!!!」
なぜか道をこそこそと歩いていた銀髪の女は、大げさな返事を残して来た道を走り去っていった。
「…怪しい奴ほど怪しくないっていうだろ」
「そういえばそうか。にしてもあんなに慌てちゃうとはね…悪いことしたかな」
「だいぶ悪いな」

「露店とは珍しいな」
「…おはようございます…」
「おはようございますー、タタラさんがこんな時間から出歩いてるのは珍しいような」
「後ろのが出歩いてるのも珍しいな」
「ああ、今日は工房の備品をロカ…タ… …いつもの船以外の船に頼んだから、今から取りに行くところだ。量が多いからうちの子にも手伝ってもらおうと思って」
「なるほど。あ、二人とも、お一つどぞー。食べ物のほうは普通だから」
「…これは、変わった皿だな」
「でしょ。タタラさんなら全部読めるかな? これ」
「読めるが…これ自体は珍しいものでもなんでもないぞ」
「ですよねー」

「おっ、そこの少年。ちょっと寄ってかないかいー?」
競歩並みのスピードで歩いていく少年を呼び止める。
少年は立ち止まり、だが露店のほうには近づく事なく顔をこちらに向けた。
「どちら様でしょうか?」
「こちらはどうでもいいんだけどねー、一つどうかな?」
「ごめんなさい、今僕急いでいるもので…」
「そうか…じゃあ」
数組ある紅白まんじゅうの紅いほうを一つ、少年に投げつけた。
「あげるー」
「……、有り難うございます」
まんじゅうを受け取った少年は、手の中のまんじゅうとカルーアを見比べ、微笑んで歩き去っていった。
引きずっていったウォーピックの跡だけが、道に残る。
「なーにを急いでたんだろう?」
「まんじゅう投げつけてくる人から逃げるための口実じゃないのか?」
少ししてから。
「ああもう! こんなことならかもめ号で追うべきだったわ!」
「そこのハイテンションな子ー、一つどうだいー?」
「貰える物はいただくわ。ねえあんたたち、この辺で黒いクセ毛で真赤な目の、ヘンな武器持った人見なかった?」
「見たような見てないような」
「武器を引きずった跡があっちに伸びてるから…、あっちね!!」
少女は走り去っていった。
「急いでるって、追われてるってことだったんだー」
「ずいぶんと余裕だったな、逃げてる方…」

「ココリータさんこんにちはー」
「こんにちは。指示の通りもっかい来たよ」
「わん」
「アオサ君もおはようー」
「おうご近所さん。相合傘で出店してんの?」
「ほんとだ言われてみれば」
「せっかく気にしないようにしてたのに…」
「気にしないように気にかけてたら、結局気にしまくってることになるんじゃねー?」
「黙れじゃりんこ」
「傘無いと日射しが暑いからね。で、どうぞ皆さん。一人一個まで、好きなのどうぞー」
「じゃあこれをいただくよ。コータはこの白いので…。これってディタのお手製かい?」
「一応は。切っただけ盛っただけのもあるけど」
「じゃあオレはこの真ん中のを選ぶぜ!」
「あ、それ塩―――――」

「そこの青髪の少年ー、暇なら一つどうだいー?」
「俺のこと?」
「そう、怪しくはないので是非どうぞ」
「じゃあ……、あ、おいしい」
「だろ?」
「あのさ、これ…もういっこ貰ってもいいかな? 弟にあげたいんだけど…」
「ああいいよ。持って帰る用に油紙かなんか…ディター!」
「ほらよ、言われなくても」
いつの間にか席を外していたディタが、油紙を持って店から出てきた。
少年が食べたのと同じものを、手早く包んで少年に渡す。
「弟君によろしくねー」
「ありがとう、じゃあ」

「あら、素敵な皿ね」
「お姉さんお目が高いねー。一ついかがですか?」
「いただくわ。そうね…今作ってる食器棚に収めたら、きっとぴったりだわ」
「お姉さん家具職人? いいよねー、なにかを創ることって」
「そうね…、今日はこれに免じておとなしくしててあげましょう」
「………?」
「じゃあね」

「うーん…」
「カルーア、あの人に声かけないの? かなり美人だけど…」
「ディタ、言っとくがあれ男だぞ」
「まじ? いつもながら、よくわかるよなお前…」
「オレを甘く見るなよ。おーい、そこのお兄さーん…」
「♪~」
「聞いてないみたいだね」
「むうう」
「あ、行っちゃった」
「仕方ないな…本日二度目か」
「そうだね……て、あれ? 一つ足りないような…」

「あ、まただ」
「系統的にはまあそうかもな。おーいキャッスさーん」
「あ、はい。なんでしょうか」
「今日はお一人ですか? これ一つどうぞ」
「有り難うございます…。朔たちが買い物に行ってまして、待ち合わせをしているのですが迷ってしまい…。あの、港ってどちらでしたっけ?」
「港はこっちとは逆の方角だぞ」
「ええっ!? そうだったのですかぁ……」
「他にも朔さんやあおいちゃんがいるんだ?」
「はい、わたし以外に四人…」
「じゃあ、一人1つで4つ分、届けてもらってもいいかな?」
「はいわかりました。ではわたしはこれで」
「はいー」

「わあい、食い物の匂いが~」
「赤毛の兄さん、一つどう?」
「一つだけなのか?」
「そういう決まりなんだ」
「けっちいな~。まあ、じゃあこの一番大きいやつを一つで。ん~、うまい」
「そりゃどうも」
「じゃあな~」
「おう~」
少しして。
「そこの青いお姉さん、お暇ですかー?」
「暇じゃないけど…ツィーダル来たでしょう? 赤毛の強い男よ」
「赤毛のお兄さんなら来ましたねえ。この赤い皿のを食べていきました」
「そうなの…じゃあ、私も貰おうかしら。ツィーダルが赤いのを食べたのなら、私はその隣の青いやつを」
「まいどー」

「片目の家はこの辺だったよね…」
「そこなお嬢さん、ちょっと寄ってかないー?」
「…あたし?」
「そうそう」
「…うーん。あ、そうだ。ねえ、この家に片目の男はいるかしら」
「あー、ヴェイタさんのことかな? 今は居ないよー。その家の人だけどー」
「そうか……じゃあ、いいや。きみたちは何してるの?」
「路上配布を。一つどうぞ」
「ありがと」

「…あの子もうろついてるな」
「一人の人はうろつきやすいんだろうか。えーと、お嬢さーん」
「…」
「お嬢さーん」
「…。ここはどこなのかしら」
「トルナーレです」
「そう…ロカターリオ号はどこにあるの?」
「真反対ですよ」
「そう…」
「…一つどうですか?」
「いただきます。あ、この子も…」
「リスにはこの木の実あたりがオススメです」
「ありがとう。…ロカターリオ号は…」
「あっちですよ」

「うわあヘンな組み合わせ」
「変なとはなんじゃ変なとは」
「確かに、多少変かもしれないね」
「たしょーどころじゃないですよ!」
「そうだぞ俺だって好き好んで組み合わさっているのでは断じてない。ある意味究極の二者択一だったんだ」
「後ろでぶつぶつ言ってるのとは全く関係ないけど、二択に失敗しただけなの~」
『科白の内容、タイミングが揃ってるぞ妹よ』
「…変と云うか、単純に多い」
「気にするななの。7人なんてトレーナーとポケモンだと思えば一つのパーティなの」
「ナチュラルに一人削られてるような…」
「あ、これ皆さんお一つどうぞ。なんか曰くつきだそうです」
「どんな勧め方じゃ…」
「ほう、これは…祭具としての皿だね。儀式ばった物と云うよりは、民俗に溶け込んだ古い習慣の名残と言うべきか。ヴァーダ、これは奥方の国のあたりのものではないかね?」
「…そうだな、これは限定的な空間を示すこともあるから少しだけ調べたことがある。どうにも曖昧な記述しかなくて斜め読む程度だったが」
「ああ、やっぱりそうだったんすか。面白そうだから今日一日で試してるんですけど」
「これがどういう効果を伴うものなのかは知らんが今日の作業は無駄なようだぞ。これは空間を示すためのもの、呪文や魔方陣と同種のものだ。典礼術は仕組みを理解しない者でも使える代わりに決まった手順を踏み外してはならない。繋がらない線路を車輪が走ることはないからな」
「簡潔に述べろやクソ親父」
「………皿の並びが違う。」
「ああー……、やっぱり」
「カルーアさんは知ってたのですか?」
「一応オレも魔術師の端くれだからね。資料探すのめんどくさくて、適当にやったんだ」
「おぬし、それでも職人か…」
「陶芸家に大切なのはどこで手を抜くかですよ。柔らかいものをきっちり直立させるなんて、土台無理なんで」
「…付き合わされる身になってみろよ。で、今日はこれで終わり?」
「いやー、まだ日没までちょっとあるし、皆さんロカターリオ号で来たんでしょう? だったら船員さんも待ってみようかなあ」

「で、船員さん方のお出ましか」
「いよぉーーう窯心房のお二人さーんっ!」
「あーと…、こんばんわ? かな」
「こんばんわー。今日は船長さんとフージェン君の二人だけか」
「今晩は。夕暮れなのにテンション高いな」
「外出はオレらだけでぇ、他の船員は船で待機ーーぃ。いつでもどこでも明るく楽しくぅーが海賊のモットーどぇす!」
「商船! 民間商船!!」
「あはは。あ、これ一つどうぞ」
「あ、どうも」
「晩メシ前だけどいただきます」
「ビゴーさんやレオンさんにも持ってってあげてください」
「おおセンキューーー!」
「船長と居ると、カルーアが普通に見えてくる…」

「これで残り三つか…。一個余った…」
「カルーア、あれ」
ディタが示す先、薄暗い道の向こうから、水色の頭が徐々に近づいてきた。
「…すっかり忘れてた」
「おーい、ミルドくーん」
「…あんたら陶芸工房の。どうしたんだよこんな時間に」
「それはこっちの科白だろう? ソフィアちゃんが楽しみにしてたんだぞー、ミルド君が帰って来るって」
「そっ、それは…その……。色々あって」
「呼び止めて悪かったな。とりあえずこれをやるので早くソフィアさんのところに行くんだ」
「お、おう…」
ミルドが走っていくのを、二人は黙って見送った。
「お前な…事情がわかってるんだからかわいそうなことするなよ」
「いやあー、なんか面白くってさあ」

「残った皿は2枚か。もう誰も来ないと思うぞ」
「ん、丁度よかったみたいだな」
「?」
「はいディタ、一個」
「あ…」
残った皿のもの二つ、カルーアは一つを手にとり、もう一つをディタに渡した。
「これで全部。なくなっただろ?」
「まあね」
やはり気のない返事と共に、妙な宴は始まらずに終わった。


後日。
皿の一枚一枚を丁寧に磨きながら、ディタは尋ねた。尋ねられたカルーアは、あの日以降に図書館から借りてきた東方魔術の本を読んでいた。
「結局この皿はなんなんだよ。祭具がどうとか言われてたけど」
頁を一枚めくり、二言三言読んでから辞書を引く。旅をしていた頃に、生活に困らない程度には覚えた言語だったが、魔術方面にいくとまるで別の言語のように難解だ。
「なんかねー、神様を呼ぶための皿らしいよ」
「はあ?」
「それの作られた国では、こっちの精霊とか妖精みたいな感じで神様が居てね、それを集めて食事を振舞い、祈願をするために作られた皿なんだってさ。実際は皿に盛り付けたものは、一定の時間を置いてからその村の人たちで食べたらしいけど」
「神様なんて呼べると思ったのか?」
「まあちょっとはー?」
声が弾んでいるカルーアに、ディタは小さくため息を吐いた。磨き終わった皿を一つにまとめて箱に入れ、封をする。
「ほら、まあでも」
カルーアはディタを見て、にっこりと笑う。
「楽しかったからいいじゃん、ね?」
「…はいはい」
ディタは、箱に『曰く無し』と大きく書いた。

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