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このブログは企画系創作作品をまとめたブログです。主更新はオリキャラRPG企画になっております。
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下のの続きです。
ひとまず完結。




玉座の間は両側の壁を飾る鮮やかな機と照明の燭、そして玉座の真後ろにこの国の特産品であるステンドガラスの嵌め窓があるだけの殺風景な部屋だった。
壁は機で隠れているため分かりにくいが建材である灰色の石がむき出しになっている。他の部屋や廊下でさえも化粧石や漆喰で塗り固められているというのに。
(我らが国は此処より始まった。人を容れぬ冬の地を拓きて国としたことを、心せよ。我らは常に雪の女神と共に在る)
ファーレンハイトは正面の玉座を見据えていた。父がここに座っている姿を一度だけ見たことがあった。身体が弱く、常に自室に篭りきりだった彼が見たたった一度の父王の姿。
いつも見ていたであろう兄弟達はそこに座ることなくこの世を去った。悔しかっただろう。もしかしたら自分に恨み言を言っているかも知れない。
昔見たときよりも玉座はずっと小さく身近に見えた。これは成長か、それとも…。
口から漏れた息が白く天井に昇っていく。
「ファーレンハイト17世陛下」
名を呼ぶ声を認めて振り返る。見慣れた真っ黒で細長い印象の男。実年齢よりも若く見える、むしろ実年齢が計り知れぬ男は、滑るようにファーレンハイトに近づいて頭を垂れた。
「…ミッドガルド」
「お探し致しましたよ、ファーレンハイト陛下。よもやこんなところに居られるとは思いもよらず…」
「……」
返事の代わりにファーレンハイトは白い息を吐いた。
この玉座の間には暖房が無い。周りを部屋で囲まれているため外ほどではないにしろ、ガラスの窓も合間って冬の入りから吐く息が白むほどの寒さとなる。
肺を患う国王は有事以外はなるべくこの部屋に長居しないようにしており、もちろん平時にここに来る事はほとんど無い。
「用事は明日のことか?」
「ええもちろん、」
細い目を更に細めてミッドガルドは笑っていた。彼を蛇と評する者がいるが、ファーレンハイトもその通りだと思う。
「明日と…そして今後のことです。どうやら死神はあなたを捕まえる事ができなかったようで」
「五月蝿い蛇がまとわりついているからだろう?」
にやりとファーレンハイトが口の端を吊り上げる。応えてミッドガルドの微笑みにも棘が出た。
「まだペルシスに王位を譲ろうなどと考えてる訳ではないでしょう? そこに座る事が出来るのはあなただけ、此処はあなたの国なのです」
「それほど血は重要か? 政の才は、魔法魔術とは違って必ず受け継がれるものではないのだぞ」
「血が選べぬのと同様に、血の価値も本人には決められません。価値とはいつだって見る者の中にあるのです」
お前は俺にどれほどの価値を見るのだ?
ファーレンハイトは尋ねようとしたが、声にならなかった。訊きたいが、聞くのが怖い。
「…だが、この血がどれほど重要であろうとも俺は長くは生きられないぞ。今までだって10歳までと言われ15歳までと言われ…20になっても次の宣告が来るだけだ」
「死なせません。あなたは、決して」
ミッドガルドの語気がやや強まる。言い切る彼の表情からは笑みが消えていた。
「ご病気は必ずや治してみせます。ですから陛下はお気を強く持って下さい」
「《薬》か…。本当にそんなものがあるのか?」
生者を不死にし死者に再び生命を吹き込むと云われる《紅い薬》。ミッドガルドによれば《紅い薬》があればファーレンハイトの病も治すことができるらしいが、ファーレンハイトにはその薬が実在するとはにわかに信じられなかった。
「もちろん御座います。私はこの目で見ましたから」
訝る度にミッドガルドはそう答えた。答えるとき、ミッドガルドは目を伏せて何かを考え込んでいるようになる。その様子がどうしてかファーレンハイトの胸に痛みを与えるのだ。
「ミッドガルド…」
ファーレンハイトが口を開きかけたとき、重々しい音と共に正面の扉が開いた。
玉座の間を覗き込むようにして顔を出したのはファーレンハイトの甥のペルシス。彼が部屋に入ってきたのに続いてもう一人の甥のトリス=トリス、トリスの護衛のセンスウ、そして内政局のラプレツィアが次々入ってくる。
ミッドガルドに駆け寄る王甥二人から一歩離れたところで、護衛と祭務官は静かに一礼した。
「ミッドガルド様」
「ミッドガルドさま、それに陛下も。こんにちは」
「ペルシス殿下にトリス=トリス殿下。どう致しましたか?」
「用事があるのは私だけなのですが…」
ペルシスがちらりと後ろを見ると、ラプレツィアがひらひらと手を振った。ミッドガルドはなんとなく理解した。
「貴方の用事…ということは、コルネル殿のことですね?」
「はい。ミッドガルド様ならば心配は無用だと解しておりますが、やはりどうしても気になってしまい…」
「慎重を期すのは良い事です。殿下のご心配には及びませんよ…コルネル殿とは先程、よく話し合いをしましたから」
包んでも隠し切れないミッドガルドの不穏な雰囲気に、事情を理解していないトリス=トリスとセンスウ以外が固まる。呆れ気味な国王と同僚をよそにペルシスはいたく感心というか感動したようだった。
「話し合いでどうにかするとは流石はミッドガルド様。感情任せに彼を罰そうなどと思っていた私が恥ずかしいです」
「もちろんそれも一つの手ですよ。でも、あのような方々の中にも話せば解ってくれる人もいるのです。味方は多いに越した事はないでしょう?」
甥になにやら色々と説いている宰相を見て、ファーレンハイトは甥の将来が少し心配になった。ペルシスがあれみたいなのになるかと思うとぞっとしない。
「あまり派手にやりすぎるなよ。俺がフォローするのにも限界がある」
「陛下にフォローされるほど鈍ってはおりませんのでご安心を」
一度痛い目を見たほうがいいのではないだろうか。ファーレンハイトが真剣に考えていると、ペルシスの用事が終わったのか彼を含めた訪問者が玉座の間から出て行った。扉が閉まるまで、手を振ってくるトリス=トリスとラプレツィアにミッドガルドは手を振り返していた。
静かさが戻った後、ファーレンハイトの方を振り向いたミッドガルドは王甥達が尋ねてくる前までの毒気のある表情には戻らなかった。
もう特に話すこともないだろう、ゆっくりと首を左右に振ってからファーレンハイトは玉座の両側にある扉から私室に戻ろうとした。と、不意にその手を捉まれる。
「あ、陛下。先程なにか仰りたいように見えましたが、良いのですか?」
「…ん。ああ、別にいいんだ。気にするな」
「そうですか…」
腑に落ちない表情だったがミッドガルドは掴む手を離した。
「部屋までお送り致しましょうか?」
「いや、いい」
ファーレンハイトは短く答える。扉を開けて部屋を出て行く直前にミッドガルドの方を見ると、手を離した時と変わらぬ場所に立ち深々とファーレンハイトに礼をしていた。
きっと彼はいつまでもああして居てくれるのだろう。
背後で閉まる扉の気配にそれが二人を分かつことなど無いと解っていながらも、ファーレンハイトにはこの廊下が玉座の間ほど暖かくは感じられなかった。


ファーレンハイト17世の誕生式典当日。
王都アレクティスは観光向きな街ではないため式典の日にも観光客が押し寄せることはないが、それでも街の住民達によって活気付いていた。
収穫祭も終わった冬の入りにこれだけの催しが出来るというのは、国民の王への信頼の証しとも云えるのだろう。
周りを見回しそのことに改めて気づかされながら、少年はまるで十年来の友人が褒められたことを喜ぶように微笑んでいた。
「おーい、そこの坊ちゃん」
呼ばれて、初めは自分のことだとは気がつかず、少ししてから声のするほうを向いた。薄い人ごみの合間から手を振ってくるのは、人の良さそうな八百屋のおじさんだった。
「僕に、何か?」
「深い意味はないんだよ。ただ、面白い形のものを持っているなあと思ってね。坊ちゃん旅人さんだろ?」
「ええまあ」
山越えのための厚手のマントにやや大げさな手荷物があれば一目で旅人だという判断もつく。周りにもちらほら少年と同じような格好の者が居たが、本人よりも頭一つ分も大きな武装を背負っている彼が特別目についたのだろう。
「ああごめんね。客引きとかじゃないんだよ。ただ坊ちゃんがウチのやつと同じ位の歳に見えたもんだから、気になって。一人旅だろ? こんなトコまで来るのは珍しいねえ」
「今は一人ですね。ここにはちょっと知り合いの方がいるもので」
他愛のない会話をしていると、一本向こうの通りから高らかとした管楽器の音が聞こえてきた。パレードの始まりを告げる音だ。道行く人々の流れがにわかに変わる。
「あ、これ一ついただきます」
少年は口早に言うと、硬貨数枚を置いて入れ替わりに棚に一山積み上げられたリンゴを一つだけ取った。
八百屋の主人が何を言う前に、少年は人ごみに消えていった。


人の流れに逆らって歩いていくと徐々に人ごみは薄れてゆき、王都の外壁のあたりに着くころにはすっかり人影は無くなっていた。住民は皆、パレードを見にいっているのだろう。
暇そうな番兵の横を通って門を抜ける。式典はまだ始まったばかりだが、もう用事は済んだのだから長居することはない。
リンゴを投げ上げながら街道を歩くテオフィルの前に、一羽の黒鳩が降り立った。鳩と目が合いしばし足が止まる。遠くの方でファンファーレが聞こえた。
鳩がぺこりと頭を下げたので、テオフィルも倣って頭を下げる。
妙に人間くさい鳩は無表情のまま人の言葉を発した。
「コンニチハ、紅イ目ノ子供ヨ」
「…今日は。ヒューフロスト王国宰相マリオ=マセルス・ミッドガルド一級祭務官猊下」
わざわざフルネームを身分付きでテオフィルは返した。
「紅イ薬ノ守護タル貴方ニ我ガ王ノ誕生祝イニ来テ頂ケルトハ、思イモヨリマセンデシタ」
「こちらこそ、こんな日にわざわざ宰相さんに出向いていただけるなんて思ってませんでしたよ」
鳩と会話する少年は傍目から見れば驚くか気の毒なだけだが、二人の正体を知る者が見れば、別の意味で驚くことだろう。居合わせた者は気の毒だと言える。
「かくし芸で遊んでいる場合じゃないのではないですか? もう式典は始まっているでしょう」
「私ノ出番ハマダ先ナモノデ。ソレヨリモセッカク来テイタダイタノニ挨拶モナイノハ申シ訳無イト思ッタノデスヨ」
ほろほろと笑うのは鳩だからだろうか。テオフィルの記憶の中のミッドガルドはたしかフ笑いかフハハ笑いだったような気がしたが。
「それはどうもご丁寧に。で、挨拶だけで終わりですか?」
「エエ、今日ハ特別ナ日デスカラネ。デスガ…」
黒鳩は石畳を蹴って浮かび上がり、真っ直ぐにテオフィルの肩に降りた。テオフィルは振り払うこともなく鳩に顔を向ける。濡れたような毛並みがあの男によく似た美しい鳩だった。
「次ハ必ズ手ニ入レマス。《紅イ薬》ト……貴方モ」
頬に頭を摺り寄せてくる鳩に一瞬気を許したが、直後にミッドガルドの顔を思い出してテオフィルは少し後悔した。昨夜のこともあり、国王には少なからず文句を言いたい。
肩を降りて地面に着地した鳩は再び舞い上がる。「ソレデハ、マタ何レ」、ホバリングしながら器用に礼をする鳩に向かってテオフィルは手持ちのリンゴを投げつけた。
「差し上げますよ」
短く言うと、黒鳩は驚いたように目を揺らしリンゴを捕まえて王都へと飛び去った。
テオフィルは使い魔の姿が見えなくなるまで王都の上空を眺めていた。
「次があるうちに手に入るといいですね」
皮肉でもなんでもなく、本心からそう呟いてテオフィルも再び歩き出す。空いた手を数度握ったり開いたりして、やっぱりリンゴはあげない方がよかったかも知れないと思った。


深夜、ちょうど日付が変わった時にファーレンハイトはまた玉座の間に来ていた。
先程始まった自分の誕生日。もう4年も経ったと云うのに玉座に座って見るこの部屋は相変わらずに広かった。
ラプレツィアから聞いた話では、自分は日付が変わってすぐの深夜に生まれたらしい。手の中の懐中時計を眺めながらその時間を待つ。あと少し…。
秒針が通り過ぎた。
その時を過ぎたからと言って目に見えて何が変わるわけでもない。それが当たり前のはずだ。
「おい、」
だが今日だけは違う気がした。今は何かが変わる予感がする、その予感だけがファーレンハイトの口を動かした。
そして返事が返ってくる。
「御機嫌よう、国王陛下」
真正面にある真紅の双眸は一礼をしてから近づいてきた。ステンドガラスから入る青白い光に照らされて、紅い目を宿す少年の姿が浮かび上がる。
「お前は…誰だ? いや、一度見たことはあるが………」
「僕はテオフィル・エリクサム。あなたの宰相様が仰る《紅い薬》を知るものです」
「…なるほど」
宰相と言われようやくどこで見たのかを思い出した。前にミッドガルドの私兵が連行していた少年だ。深く染まったような紅い目をしていたのが印象に残っている。その後逃げたという話を聞いていたが、あのときのミッドガルドは大層悔しげだった。
「それがなぜ今此処に? 俺は…お前を捕まえようとする者だぞ」
或いは元を絶とうということなのだろうか。だとすれば自分はある意味病で死んだことになる。
「それはそれです。今日は陛下がお誕生日だということで、ささやかながらお祝いを申し上げに参りました」
「…《薬》でもくれるか?」
予想外の言葉に、ファーレンハイドは思わず普段ミッドガルドにしているような応答をしてしまった。声に出してからしまったと口に手を当てる。
そんな様子がおかしいのかテオフィルは笑っていた。
「まさか。あなたは本気で紅い薬が欲しいとは思っていないでしょう?」
否定の言葉が出ない。長く生きられればそれに越した事はないと思うが、どうあっても長く生きたいかと問われればはっきりノーと言えた。
だから、その問いには答えることが出来ない。
「確かに、正血統たる俺が王でいるのが一番良いだろう。だが、何をおいてもそうあらねばならないとは思わない。ペルシスもトリス=トリスも…きっと良い王になるはずだ」
あの二人はファーレンハイトの直ぐ上の兄が養子として王宮に迎え入れたものだ。王家の血はなくとも兄の審眼と教育の賜物か立派な王族として成長している。
二人が居れば自分は無理に永らえなくとも国には問題ないかもしれない。即位当時からファーレンハイトはそう考えていた。
「でもあなたの宰相様はそれを望んでいないのですね」
「ミッドガルドは何よりも血の重みを知っている…。だからこそ俺か俺の血を引く者でなければあいつは認めないだろうな」
それがどれほどハードルが高いかはミッドガルドも承知しているだろう。でなくば御伽噺のような薬に頼ることはありえない。
御伽噺は目の前で笑っている。ファーレンハイトは改めて訊いてみた。
「紅い薬で…俺の病は治るのか?」
「もちろん治りますよ。紅い薬に出来ぬことなどありません。でも、」
ふっとテオフィルの顔から笑みが消えた。
「使えば後悔します。必ずに。その効力が大きければ大きいほど尚更、ね」
脅しというよりは淡々と事実を述べるような語り口。彼が薬を与うる者であるならばその後悔を見てきたことになる。感情にも表れぬほどの後悔を彼は見てきたのだろうか。
「後悔ね…使わぬよりは使った後悔のほうが良い気がするが?」
「…死ねばその先に後悔している時間はありませんが、生き長らえてしまえば死ぬまで後悔し続けなければならなくなるんですよ。恐ろしいでしょう?」
「なるほどな……  …っつ!」
急に喉の奥が狭まったような感覚がして、ファーレンハイトの呼吸が途絶えた。喉元を押さえ、どうにか呼吸をしようとすると咳が止まらなくなり座っていた玉座から落ちそうになる。
「ファリオン!」
すぐさま駆け寄ったテオフィルに支えられて玉座から転げ落ちるのは阻止されたが、弾みでかけていた眼鏡が落ちて石畳を滑っていった。
ファーレンハイトは驚きに目を見開き何かを話そうと口を動かした。が、声は出ない。
ゆっくりと玉座に戻されて顔を覗き込まれるが、眼鏡が無いため視界がぼやけた。ただ紅い目だけがはっきりと判る。
「なぜ僕があなたの名前を知っているかですか? 僕はあなたたちお二人が出会うずっと前から、あなたたちのことを知っていましたよ」
ファリオンはファーレンハイトが即位する前の名だ。それを自分と同じか一つ二つ下に見えるこの少年が知っているということは、彼の言う紅い薬は本当にあるということか。
この少年が知っているというミッドガルドは、きっと自分の知らないミッドガルドだろう。そしてミッドガルドが求める自分には無いものをこの少年は持っている。
息を荒げ霞む視界の中でまた唇を動かすと、今度はテオフィルが目を見開いた。哀しげに目を伏せ、首を横に振る。
「…僕はそれを解しません。あの男はきっと、ファリオン以上に誰かを想うことなどありませんよ」
気を失ったファーレンハイトにテオフィルは呟いた。聞こえていても聞こえていなくても、この答えは自分の中には無いから構わない。
落ちた眼鏡を回収して、ファーレンハイトを抱き上げた。テオフィルのほうが頭半分ほど背が低いが、意に介せずに軽々と持ち上げて王の私室へと運んだ。
ベッドに寝かしつけて眼鏡も小テーブルの上に置く。顔色が悪く、まだ多少息に引っ掛かるものがあるが発作というほどではない。
暫くファーレンハイトの様子を確かめてから、テオフィルは静かにその額に手を置いた。常人よりもやや体温が低いようだ。
「僕からあなたとあなたの宰相様へ、心ばかりのプレゼントです。今日一日はどうか安らかな日をすごせるように―――――」
白壁の簡素な部屋に微かな紅い光が灯った。
光が消えた頃、ファーレンハイトの呼吸は穏やかになり、部屋には彼以外の気配はなくなっていた。



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