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10 2008 / 10
ディタ過去第一章3話目。
たぶん次からタイトル変わります。
名前の無い人はめんどうだ…。



ディタが闘技場に来てから10ほどの月と日が廻った。
驚くべき事に、ここに来てから戦闘時以外はずっと窓の外を見ていたというのに、男の名前がさっぱり分からなかった。
机に備え付けられていたノートに闘士の名前を書き出して、それぞれがどの程度の頻度で闘技を行っているかをチェックしていく。舞台に移動するまでの道のりが長いため取りこぼしがあるかも知れないが、大した数ではないだろう。
窓の外で犬っぽいモンスターに喰われていく闘士を見ながら、三日前に書いた名前を斜線で消す。これじゃあ闘技場と云うよりも殺人ショーだよなあ…などと考えていると、唐突に後ろから声を掛けられた。
「あまりまじまじ見ないほうがいい。精神衛生上良くない」
「おぅわっっ!?」
ディタが飛び上がって振り返ると、男が部屋の真ん中に立っていた。
男は前と同じように黒いスーツ姿だったが、上からやたらにごついマントを羽織っていた。闘技用衣装なのだろうか、だがディタが見ていた舞台に男の姿は無かったはずだ。
「これは余所行きの服でね。前回は君が来るとは思っていなかったから部屋着だったわけだ。やはりレディに会うときは、それなりの身なりにせねば失礼だろう?」
「無断でレディの部屋に入るのは失礼にあたらないのか?」
指摘されると、男ははっとした表情で一旦止まって、すぐに元の顔に戻った。
「なるほど。では今度から君の招きを受けてから入室することにしよう」
しれっと―――――本人はしているつもりはないのだろうが男は宣う。誰が招くか。
「今の君はまだレディじゃないから、暫くは勝手に入らせてもらうが」
「…『それじゃあ、…今までの会話は無意味ではありませんか?』」
「その調子だ。努め給え」
「なんなんだよアンタはっ!!」
「私はこの闘士舎の最上階に居るものだ。君と同じ闘技場側の闘士である。今は新たに入ってきた小さき魔女のために―――――」
「それはもういいのっ!!」
全力でつっこみ続けたおかげで闘技も無いのにディタは肩で息をしていた。ゼーハーゼーハーとやっているディタに対して、男は微動だにしない。
どうにかして男とまともな会話を成立させようと思考を巡らせていると、男は勝手に話し出した。
「間もなく今回買われて来た新人闘士の選別が終わる。犬猫との戯れなどここでは余興に過ぎない。次に戦うのは人間だ…勝てるかね?」
「さあね。勝ち負けとか生き死にとか…まだ分からない」
負ければ死ぬ、勝たなければ生きられない。闘技場に来て日の浅いディタにはまだその事についての実感が薄かった。そもそも、戦ってまで生き続ける意味はあるのかとすら思う。
そうか、と男は頷き、どこから出したのか一台のトルソーを持ち出した。
「なにこれ」
「見ての通り、トルソーだ」
男がトルソーの肩を押すと、ディタに向かって滑らかに前進してきた。足が車輪になっているタイプのもののようだ。
組み木をくり貫いて作られた胴体は滑らかな曲線を描いており、これが女性型であることが判る。
「お守り代わりだ」
「…えーと、ありがとう?」
「よく出来たな。挨拶は素敵なレディの基本だ」
なんなんだよそれは。とはディタは言えなかった。トルソーに対してと、男に対して。
お守りを渡し終えると男は前と同じように扉から出て行った。相変わらず扉の施錠はされていたが。

翌日ディタを連れ出しに来た番兵は、室内にあるトルソーを見た後、気づかないふりをしていた。もしかしたら他の部屋でもこんなことがあるのかも知れない。
何の気なしに番兵に尋ねる。「これの持ち主はなんなんだ?」と。
番兵は知らないと答えた。あれは闘技場の職員でもよくわからないと。
「ただ、いつから…誰から言い出したのかは知らないが、我々はあれを『城主』と呼んでいる」
それがディタが一番初めに知ったあの男のことだった。


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