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魔女っ子企画の日記企画、友人とのリレー作品の最終話です。ひとまずの完結。
どんなオチにしたもんかねーと考えた結果、王道的なものに落ち着きました。
メルヤの店のとっておきの魔術書、というのは自分もかなり悩んだ問いでした。
メルヤはソロモン王の力に倣って悪魔召喚の魔術を使いますが、ミモリさんは独学で術研究をするようなキャラなのでどの魔術系統に当てはまるのかがまず謎でしたからw


一応、今回単発の出番になりそうな悪魔。

c98d80f2.pngcc-110321.jpg

■ソロモンの悪魔・ガープ
→66の悪霊の軍勢を率いる地獄の頭領だったり王だったり王子だったりする忙しい悪魔。序列は33番。
ごく一般的なイメージの悪魔の姿をしており、角があって蝙蝠の翼がある。書物によってパイモンと共に地獄の西方を治めていたりアモンの配下だったり地獄の四方の王の案内役だったりと立場がブレまくっている。総合的に見て実力はある様子。
上記のためか非常に忙しい悪魔であるらしく、召喚できるのは7/20~8/20までの一ヶ月限定だとか毎週水曜日にしか喚起に応じないとか妙な条件がある。
魔術師を一瞬で移動させることができ、人の感情を操ったり、未来を見通したり、術者を不可視にする力を持つ。また、人を賢くさせたり、逆にバカにさせたりも出来る。

友人には、ススキノ(北海道は札幌の歓楽街)に居そうな外見と言われました。





■ガープの世間話


いやあ、今日の仕事は面白かったよ。
普段はこんな時期の召喚には答えないんだがね。呼び出したのがかのトート一族の魔女で、しかもパイモンが使役契約を受けた者だと言うじゃないか。前々から興味があったから、思わず応えてしまったよ。おかげでメイド服なんて着てるパイモンも見れて楽しかったね。
契約の内容は、とある魔女の送迎だったよ。
その魔女はミモリと言うらしいが、トートの魔女―――メルヤちゃんだったね、彼女と何か問題があったらしく、解決のために私を呼んだようだ。
言いつけ通りにストラスと共にかの魔女の森に行ったんだが、油断して結界にぶつかってしまってね。それ以外は、特に問題も無く契約内容は履行出来たよ。
はじめは庭の木を落ち着けるためにどうして恐怖の元凶を連れて来るのかと思ったが、若木に直接「もうお前を伐ったりはしない」と言い聞かせるとは。荒療治だが理解力の拙い幼木だからこそだろう。
それと、事件解決の謝礼としてメルヤちゃんが用意した本がまた秀逸でね。現物を見た瞬間のミモリという魔女の表情が傑作だったよ。
偶には期間外に外に出てみるのも悪くはないね。仕事に支障が出ない程度にでだがね。
…ああ、引き止めて悪かったね。私も次の訪問があるから、この辺で終わろうか。



数日前にも叩いた戸を、カルデアは再びくちばしで打った。
中から出てきたのは前回と同じおとなしそうな見た目の少年だ。前回とは違い、今日は性別にふさわしい格好をしていたが。
少年はカルデアを見ると理解を示した明るい顔をして、室内に向かって一つ二つ言葉を投げてから「どうぞ」とカルデアを家の中に招いた。
『先日の話の続きをしに来た。………何か言いたげだな』
「いや、本当に魔術書持ってくるとは思ってなかったから。というかそれでよくここまで飛んでこれたわね」
『脚に持っては本が傷つくからと我が主に厳命されてな』
首を通して四角い布包みを背負ったフクロウが、かくりと首を揺らす。
ちょうどお茶の時間だった森の魔女ミモリは、焼き菓子と幾つかの瓶が並んだテーブルに樹精と共に着席していた。少年がミモリの向かいの席を勧めてくれたので、カルデアは椅子の背もたれに止まった。
『我が主との協議の結果を伝えに来た。先ずは我が主の客人であるそなたに言った私の暴言を詫びる。メルヤは本が手元から無くなることを悲しむが、それでも商人だからな。店に来るななど客に言うべき言ではない』
すまない、とカルデアは頭を下げる。
「来るな発言を撤回したのに、魔術書を持ってきたんですか?」
『それなんだ。店に来ないで欲しいという提案を撤回したとしても、かの木を落ち着けるにはそなたの協力が必要になる。ゆえに我が主は協力への感謝の印として店の蔵書を差し出すと言っている。あくまで協力してくれたら、だが』
カルデアは起用に布包みをテーブルの上に置くと、ふわりと舞い上がった。布包みの上に着地する直前、その姿が青い衣装の青年へと変わる。
「引き受けてくれるか、森の魔女」
「先に協力の内容を話しなさいよ。報酬だけじゃ判断しかねるわ」
「解った。―――――ガープ」
呼びかけと共にカルデアが二度手を叩いた。すると、彼の背後に唐突に人影が現れる……というよりも、天井から落ちてきた。腰を強打したらしくのた打ち回る黒いスーツ姿を男を尻目に、カルデアはフクロウ態のときに止まっていた椅子に着席する。
突然の出来事にミモリは侵入者が増えた怒りよりも先に、驚いたような困ったような顔をしていた。少年はおろおろしつつも、落ちてきた男を心配する。
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、それも悪魔だからな。…何をやっているんだガープ」
「いや…結界あるとは思ってなくて…油断した……」
ここに来るまでに結界にぶつかって墜落したようだ。
どうにか落ち着いたらしいガープが、カルデアの座る椅子にすがるように立ち上がり、涙目になりつつ自己紹介をする。
「や、やあ諸君ー…。ソロモン72柱の33位、ガープだよ…!」
「いや、だよと言われてもさっぱりよ」
水滴型の頭を振りながら、樹精が呟く。
「我が主はそなたに若木を説得して欲しいと言っている。第三者の説得を解せぬようなら、本人が直接言うのが効果的であろうと。なのでここからトートの家までの脚を用意した。ガープは瞬間移動を得意としているのでな」
「うちの結界にぶつかってるようじゃかなり能力に不安を覚えるけど」
ミモリは半眼でお茶をすする。
「説得ったって何を言うのよ。若すぎて意思疎通難しいんでしょ?」
「一言、『お前に危害を加えるつもりは無い』と言ってくれるだけでいい。理解力が簡素だからこそ本人が言ったことは素直に受け取るだろう」
「うーん………」
唸りながら、ミモリの視線が本の入った包みに注がれていることに気付いたカルデアは、素早く包みを引き寄せ、膝の上に乗せた。
「あっ、」
「本は、協力が万事終えたときに渡す。持ち逃げされては困るからな」
「ちゃんと、あのお店のとっておきなんでしょうね」
「無論だ。メルヤが三日三晩悩みぬいて選んだものだからな」
再びミモリは唸った。しばしティーカップの中を覗き込んでいたかと思うと、カップの中身を一気に飲み干し、やれやれと立ち上がる。
「魔術書用意されちゃったら、行くしかないわね…。これで行かなかったら、私ただのワガママになっちゃうし」
「ミモリは十分ワガママだと思うわよ」
直後に頭上から振り下ろされたミモリの拳を、樹精はひらりとかわす。
「協力してくれるならありがたい。さあ、我が主の元へ向かおうか」
席を立ったカルデアが、ミモリ達に手招きをする。少年は留守番らしく、ミモリと樹精が集まってきた。
「行けるか、ガープ?」
「問題ない。この魔女と樹精の魔力は把握した。これでパイモンの魔力を終点に設定して…」
目を伏せ、ガープは額に手をあてぶつぶつ呟く。言葉が途切れ、ガープが「では、」という掛け声と共に一度ヒールを踏み鳴らした。
と。
幕が落ちるように、周囲の景色が一変した。
カルデアにとっては見慣れたトートの家の庭だが、ミモリと樹精は驚いていた。庭に、というよりも瞬間移動にだろうが。樹精は様変わりした風景に落ち着かない様子で、ミモリは術に感心したように頷いている。
きょろきょろしていた樹精は、庭の隅に居る人物に気付きミモリの肩を叩いた。ミモリも樹精と同じ方向を見る。
庭の端には、まだ背丈が50cmほどの幼い木と、それを眺める少女、少女に付き従うように立つメイドが居た。
見つめるミモリの視線に気付いたように少女は顔を上げ、ミモリを見る。そして深々と頭を下げた。
「またのご来店ありがとうございます、ミモリさん。協力してくださって嬉しい限りです。この木はお婆さまがとっても大切にしているから、できれば切りたくなかったので」
ぽつぽつと、ややたどたどしく少女は―――メルヤは喋る。表情は書店に立っていたときよりは幾分か和らいでいるように見えた。
「いいのよ。ちゃんと報酬があるんなら、ギブアンドテイクでしょ」
ひらひらと手を振り、ミモリは若木に歩み寄る。先はメルヤに目が行っていて気付かなかったが、若木の根元からうっすらと木霊の姿が見える。半透明の小さな子供のような姿は、足が半ばほどから地面に埋まっている。足が本体と一体化しているということは、まだ発現して浅い木霊なのだろう。
近づいてくるミモリに『みぎゃーーーっ!!』と悲鳴を上げて木霊はじたばた暴れた。だが、幼い木霊は本体である木から離れることが出来ない。
その場で頭をかかえて震える木霊に、ミモリはびしっと指差した。
「あんたねぇ、せっかく私の森から出られたんだからそんなに怯えること無いじゃない。私の森に居ないなら、わざわざ伐ったりはしないし、それにもう森の改造はやめたの。いつまでも泣いてるんじゃないわよ。他の草木に迷惑でしょ!?」
ミモリの叫びに、木霊は一瞬びくりと震える。そして、恐る恐る顔を上げた。
『……ほんと? もう、伐ったりしない…??』
「当たり前でしょ。里なんかに木こりやりに来るほど私は暇じゃないわよ」
ふん、とミモリが鼻を鳴らす。木霊は安心したように微笑むと、煙のように薄れて消えていった。
「あれ、安心したのに消えるの?」
「安心したからこそでしょう。これで他の草木に恐怖が感染することも無くなりました」
「ありがとうございます、ミモリさん。帰りもガープが送りますので、到着したらカルデアから包みを受け取ってください」
メイドの科白を倣うように言葉を続け、再びメルヤはお辞儀をした。隣に居たメイドも同じく頭を下げる。ミモリは「いいのよ」と上機嫌だ。
「それでは行こうか」
ガープが来たときと同じように、ヒールを踏み鳴らした。芝生の上とは思えないほど綺麗なタップ音を立てて、再び世界が一変する。
ミモリの家では、ちょうど少年がティーセットを片付けていた。
「あ、お帰りなさいミモリ。木霊はどうだった?」
「びしっと言ってきてあげたわよ。まったく、人のこと鬼か悪魔みたいに…」
「魔女だよね」
『魔女よね』
「うっさいわね」
ぎゃあぎゃあとやり取りをしている3人に、カルデアは持っていた包みを差し出した。
「我が主の頼みを聞いてくれてありがとう、森の魔女ミモリ。約束通りこれを。我が主からの心ばかりの謝礼だ」
「悪いわね、なんだかねだっちゃったみたいで」
『実際ほぼねだってたじゃない』
樹精の言も気にせず、ミモリは嬉しそうに包みを開けた。開けた瞬間、呆気にとられたように動きが止まった。
たっぷりの時間を置いて、ようやく一言を絞り出す。
「……………何よ、これ」
「トートの書棚とっておきの魔術書だ。メルヤが手放すのをためらうレベルの」
「タイトルに超初心者向けって書いてあるけど?」
「その通り。読者対象は魔術を習い始めの見習い魔術師、もしくはまだ習ってすら居ない者になっている」
「それのどの辺がとっておきなのよ!」
「確かに生まれたときより魔女である者には必要ないだろう。だが、その本は読んで内容を実践した者を確実に魔術師にする。本人の素質の問題もあるが、大なり小なり必ず魔法が使えるようになる。0を1にする本だからこそ、万人にとってとっておきと呼べるだろう」
元々魔法は同じ効果であっても使用する魔女魔術師によって手法が変わってくる。ゆえに似たような体系の術書でも参考程度の資料にしかならず、まして素質の無い分野の本など本棚の飾りにしかならない。
それを考えれば、素質関係なしに誰にでも読んで効果のある本は確かにとっておきと言えるだろうが……納得できるかは別の話だった。
「では、用事が終わったので我々は失礼する」
「あ、ちょっと―――」
「ガープ」
「はいはい、」
やれやれと肩をすくめながら、ガープがヒールを踏み鳴らす。
二人の悪魔の姿が瞬時に掻き消え、引きとめようとして伸ばしたミモリの腕が宙を掻いた。
『ほら、無駄に欲をかくからこんなんになるのよ』
「でもすごいじゃないですか、0から1を作る魔術書なんて」
「使い道が無きゃ意味ないじゃないの…」
『かと言って、悪魔召喚の術書なんて貰っても困るでしょう?』
「そりゃそうだけど……」
ミモリは手元にある本の表紙を眺め、がっくりと肩を落とした。




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