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05 2009 / 08
ヒューフロストにある各政務局騎士団のことについて、小話の形式で書いていこうとしたものです。
が、終わってみるといまいちその辺が曖昧になってしまいましたが…。まあ上げ。
この手の話を書くときに、一番大変なのは登場人物の名前を考えることなんですよね。一部名前要らなかったんじゃないかなーというキャラも居ますが。
本当に書きたかったのはこれの続きの話なので、そちらはアンソロの原稿終わってから頑張りたいと思います。

ヒューフロストの国章は六角形が基本ですが、各政務局騎士団には六角形にそれぞれを象徴する道具が描かれた徽章があります。
内政局→燈、外政局→旗、情報局→杯、氷刃騎士団→剣、雪盾騎士団→楯、という具合です。
内政は民を照らし、外政は国を象どり、騎士団は剣となり楯となるという意味。基本徽章は国民にとってどのような存在かを表わして付けられています。杯だけは例外で、あれは情報局員に向けて「いつも死ぬ気でやれ」というメッセージを込めた毒杯だそうです。
杯に懸ける、楯を掲げると言うのは自分たちの仕事に誇りを持っていることの現れですね。
ちなみに宰相は杖の徽章です。王を“支えるもの”ですから。






情報局に勤めることを志願したとき、かの局長はただ一言「珍しい」と言った。
天涯孤独でも前科持ちでもないのにわざわざ情報局員になるなんて、よほどの命知らずか親不孝者というのが情報局を知る者の認識だ。この認識は情報局内のみのものであるため、知らずに情報局勤めを希望した者はあれこれ理由をつけられて希望を取り消される。
情報局外部の人間でありながら情報局の認識を持ち、その上で情報局を志願した自分はいつかこんな日が来るのではないかと思っていた。




未だ夜も明けきらぬ刻限、情報局7課に緊急の指令が届いた。
この時7課執務室に居たのは外回りの任務から帰ってきた直後のクーロンとウルスラ、執務室で二人の支援を行っていたデヴィッドだけだった。
デヴィッドは伝書妖精から指令書を受け取り、読み上げる。
「王都の外東区にて、不審な男の死体が発見された。至急現場に向かい―――――」
「身元の確認をして来いと?」
「いや、身元は判っている。名は―――……」
その名に心当たりがあるのか、デヴィッドは息を飲んだ。不思議に思ったウルスラが促すと、一息置いてから続けた。
「ガヴリエル・クーディーハルト。4級祭務官だそうだ…」
「…―――!」
クーロンの目の色が変わった。デヴィッドはクーロンを案じるように目を向けて、読み上げられた名に心当たりのないウルスラは様子の変わった二人を見て首を傾げた。
「『ガヴリエル』さんってどなたですか?」
「クーロンと同時期に情報局に入ってきた祭務官に同じ名があった。騎士団経由の経歴が似ていて交流が深かったと聞くが…」
「情報局員! じゃあ不審な死体って…」
2つのキーワードが示す意味を思い至り、ウルスラは出かけた言葉を止めた。交流が深かったというクーロンの前で言うべきことではない。
「構わんウルスラ。情報局員が死ぬということは…“そういうことだ”」
指令に衝撃を受けたであろうクーロンは、しかし冷静に応答をした。
一言で片付けるならばまさしく彼の言う通りのことだった。情報局員の死は“まともな死”ではなく、“不名誉なこと”である。それを常に念頭に置き行動するのが情報局であり情報局員だが、それを自分自身ではなく親しい人に突きつけられたらどう思うのか。
黙々と外出の支度をし、さっさと出て行こうとするクーロンにデヴィッドは釘を刺そうとした。
「クーロン、あまり急くなよ」
「指令は緊急のものだ。それに騎士団を誤魔化すためにも早く行ったほうがいいだろう」
「そうか…。大丈夫なんだな?」
「もちろんだ」
工作用のアタッシュケースを携えてクーロンは執務室を出て行った。
執務室の戸越しに遠のく足音を聞きながら、デヴィッドは再び指令書に目を落とした。一つため息を吐いたあと、ウルスラに命令を出した。
「ついて行ってやれウルスラ。いや、ついて行け」
「えっ、でも……」
「外回りは基本ツーマンセル。死人が出てるなら尚更だ。それに…」
ウルスラは扉とデヴィッドを交互見てそわそわしている。気になるならば無理にでも付いて行けばいいものを、気が立っているクーロンに気を遣っているのか、それとも他の男に付いて行って放って置かれる夫に気を遣っているのか。ウルスラに限って後者は無いだろうが、クーロンが心配なのはデヴィッドとて同じだ。
「場所も聞かずに飛び出していく奴が冷静なものか。場所を教えるついでに出来る限りで止めて来い。連れ戻す必要は無い」
「…! はいっ!!」
差し出された指令書を受け取って、ウルスラはコートをひったくって執務室を飛び出していった。
他の男の元へあそこまではりきって行かれると伴侶としては少々悲しくはあるが。
クーロンならば仕方がないか、とデヴィッドは苦笑した。


整備の行き届いた中心を外れれば街並みが雑多になるのは王都といえども同じだ。特に街の円周区域ともなると建物それ自体が防壁であるかのように高く無機質な作りになる。
そんな街の迷路のような路地の吹き溜まりで一人の男が死んでいた。
周囲を染めた血は凍り男にもうっすら雪が積もっていることから、死んだのは夜が明ける前。今朝は日の出からから雪が降り始めたのだ。
身元は祭務官が着用を義務付けられている銀の腕輪に刻まれた識別番号で判明した。情報局に登録されている人物の特徴とも重なる。
雪盾騎士団員の説明を聞きながらクーロンとウルスラは現場を案内された。
現場検証を行っている騎士達を横目で見ながらも、ウルスラはひたすら落ち着いているクーロンに不安を覚えていた。
デヴィッドならば感情の機微はほとんど感じ取れる。デヴィッドが判り易いというのもあるだろうが、クーロンは表現が下手なのだと云われていた。小出しに出来ないから溜め込んで、後で一気に噴き出すタイプであると。
それに、ただの感情とは違う雰囲気をウルスラは感じていた。昔一度だけデヴィッドから感じ取ったものと同じもの。
何がしかの強い覚悟を決めた者の気配だ。
「こちらが、例の現場ですヨ」
案内役の騎士の声に、ウルスラは思考を中断して示された場所を見た。
石壁にもたれかかってこと切れている男。
そして少し離れた所で言い争っているらしい隊長格の騎士と若い騎士。
クーロンには騎士たちが目に入らないようで、真っ直ぐに死体の元へ歩いていった。
ウルスラはクーロンには付いて行かずに騎士たちの方に近づいた。
「被害者には致命傷以外にも外傷が多くあります! 周囲の足跡から考えても、ただの自殺とは思えません!」
「それに関しては我々が判断するところはない。情報局のことは情報局が―――――と、噂をすれば来たな。ご足労感謝します。ええと…」
「情報局7課のウルスラ・ロウレスと申します。あなたが雪盾騎士団第16小隊隊長のジェランガム卿ですね」
「ええ。今回発見されたのが情報局の人間なんで、あなた方が来るだろうとは思っておりましたよ」
「身内の始末は身内でつける、それが我々ですから。―――それで、状況は?」
「こちらも駆けつけたばかりでしてね…細かい調査は専門部隊が到着してからになります。私たちは現場保存が主な役目ですから」
あなた方が見た方がわかるでしょう、とジェランガムは肩をすくめた。
ウルスラは応えながらクーロンを見る。思うところがあるようで、クーロンは死体を見つめたままだった。
ジェランガムに食って掛かっていた若い騎士はウルスラが―――というよりも情報局が信用ならないようで、訝しげな目でウルスラを見ていた。ジェランガムが咎めたが、折れる様子も無く口を開く。
「クーディーハルト氏は見たところ自殺―――――自ら首を掻っ切ったと思われます。だが、彼の身体にはそれ以外の無数の傷がある。腕や脚、それに背中の傷は、彼が何者かと交戦・逃走した跡としか考えられません。貴女方情報局は国の記録書簡の管理を主とするはずです。それが何者と交戦し、なぜ自ら命を絶たねばならなかったのですか!?」
「やめろミルフィオリ」
「ですが―――っ!」
「ウルスラ」
死体の調査を終えたらしいクーロンがウルスラのところに来た。祭務服に不釣合いなサングラスのおかげで表情は読めない。
クーロンは小さく「引き上げるぞ」と囁いてから、ジェランガムに向き直った。手にはアタッシュケースの他に一本の短剣。
「情報局7課課長のクーロンです。貴方が此処の責任者のガルシア=ジェランガム卿でよろしいですか?」
「ああ、本件の担当はおまえさんか《薔薇》。それで、“情報局の見立てとしてはどうだ”?」
「“自殺です”。“彼はこの路地で一人で死んだ”」
「なっ…!!」
ミルフィオリの驚きを無視してクーロンは続ける。
「そして“凶器はこれです”。これ以外のことは、我々情報局は一切関知致しません」
手に持っていた短剣を差し出し、クーロンは深々と頭を下げた。続けてウルスラも礼をする。
ジェランガムは受け取った短剣を見て眉をひそめた。“血糊も着いていない新品”、目の端で死体を見ると握っていた凶器が無くなっていた。
「……それでいいんだな?」
「はい。“我らの杯に懸けまして”」
現役からはやや遠ざかっているものの、ジェランガムには気迫ならば現将軍格をも圧倒するものを持っている自負がある。
その部下泣かせの眼光を前にしてもクーロンは動じなかった。サングラス越しでも分かる青く輝く眼は、鬼火の噂に相応しく。
「ならば、今後の検証も“そのように”しよう。…我々としても“信念を持って盾を掲げているのだがな”」
ジェランガムの一言にクーロンの下げられた頭が一段低くなった。情報局の要求を呑まざるを得ないのならば、これくらい言っても罰はあたるまい。
「ご理解感謝致します。それでは我々はこれで」
短く言って、クーロンは現場を立ち去った。ウルスラも、一旦死体に近づいてその姿を確認してからクーロンに続いていった。
情報局員の二人が居なくなってからジェランガムは大きく息を吐いた。
元より情報局と関わるのは骨が折れる事だが、流石は《麗しき薔薇》の名で呼ばれるだけはある男。新米騎士のミルフィオリとさして歳が変わらないのに何度相対しても手強い。
雪盾騎士団の盾は民を守るものであると同時に、真実を守るものでもある。それに最も多く立ちはだかるであろう敵は情報局だ。
「覚えておけミルフィオリ。あれが情報局だ」
納得がいかない風のミルフィオリの肩を強く叩く。
「ですがこのようなことは…」
「良い事ではないな。ましてや正義とは程遠い。だから彼らは後始末を自分達でしてるんだろう」
手渡された短剣を再度見る。これは刃物屋に行けば手に入るごく普通のものだが、死体が元々握っていたナイフはジェランガムも何度か見たことのある特別な物だった。
情報局員に支給される身分証代わりの刃。あれは万が一任務に失敗した場合、あらゆる情報の流出を防ぐための『自害用』なのだという。
「無理に納得することはない。気に入らないことは突き詰めていけ…仕事に支障がない程度にな」
あるいはそれが元で仕事が変わるかもしれない。ジェランガムはかつて部下だった男を思い浮かべた。
検証部隊が到着するまで出来る事がないため死体の周りから離れるように、ジェランガムがそう指示を出した端でミルフィオリは死体に近づいて行った。しゃがみこんで、座る死体と目線を同じくしている。
「どうした、ミルフィオリ?」
「クーディーハルト氏が…」
ミルフィオリはこの自らを殺した男の死してなお閉じる事のない瞼を下ろそうとしていた。検証がまだと言っても、情報局がもう結論を出してしまったのだからその程度動かしても構わないだろうと思ったのだ。
だが、いざ死体を見てみると様子が最初に発見されたときと変わっていた。
「氏の目が…閉ざされています」



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